モト旅行会社勤務が語る!日本の世界遺産の楽しみ方

石州瓦とは・・・

 

石見銀山地方の古い町並みを歩いていると、赤瓦の屋根が特徴的で、なんだか沖縄を思い出させる光景が印象的です。

 

石見銀山の町並には、たくさんの赤い屋根がとても趣があり、日本のふるさとを思わせる光景がとても印象的です。

 

今回はそんな石見銀山の屋根について考えてみたいと思います。

 

実は石見銀山の町、大森、温泉津も家屋の屋根は大半が赤瓦であることが、町を歩くと気付かれる方も多いでしょう。

 

実はこの赤瓦の屋根は石州瓦と呼ばれています。

 

この瓦がたくさんのとれる町が隣接する水上町にあり、その影響を受けて、大森や温泉津にも多く取り入れられているのです。

 

実は山口県や広島県ではこのような赤瓦屋根の集落がたくさん見られますが、そのルーツは島根県の石州瓦ともいわれるほど実は山陽地方では今でもその歴史的な光景を楽しむことができます。

 

現在山口県や広島県でみられる石州瓦は、もともとは石見地方に住んでいた瓦職人が移住して広めたものであるのだとか。

 

それだからこの石川瓦は山陽地方に多くみることができるのですね!

なぜ石州瓦は評価されるようになったのでしょうか。

 

ここ石見地方にある良質な地層が第一に挙げられます。

 

瓦などの陶器に使われる粘土は200〜100万年前に海岸近くで堆積した「都野津層」という地層に含まれ、これは石見地方に多く分布しています。

 

その良質な地層から、陶土としても利用されています。

 

第二にその石州瓦職人たちの温度への強いこだわりです。

 

石州瓦は1300度の焼成温度で焼かれています。

 

石州瓦職人たちの合言葉に、『とにかくいい土を使って、白い光のような炎で焼き締めるから、いい焼き物ができる』という言葉があるのだとか。

 

そのため石見銀山に南接する水上町では瓦産業が、近くの温泉津でも窯業が盛んな地域として発展を遂げていきました。

石州瓦が赤い理由

石見銀山の街を歩いていると、たくさんの赤い瓦の屋根がみられますが、一体どのようにしてこの赤色をつくりだしているのでしょうか。

 

石見地方の良質な陶土を1300℃という高温で焼いた後に、出雲地方の宍道湖のあたりに分布している来待(きまち)石の釉薬を施しているから、この独特の赤色を呈する石州瓦が造られているのです。

 

 

実はこれは景観美だけではなく、寒さや凍結にも強い釉薬瓦であるそうで、古く江戸時代初期から開発されたというから驚きです。

 

 

こうしてみると石見銀山には世界遺産だけだはなく、そこに古くから栄えてきた瓦産業もまた、一つの見どころであるに違いありません。

 

石見地方では、石州瓦は全国屈指のシェアを誇っているのだとか。

 

この地形と地質を活かした職人たちも支えてきた街が今、世界遺産に登録をされたことは、石州瓦職人たちにとっても誇らしいことに違いありません。