白神山地の特有の地質の歴史とは
世界遺産に登録をされた青森県と秋田県の白神山地はその独特の地質によって、ブナの森として神秘的な光景を造りだしています。
今回ご案内するのは白神山地の地質についてです。
なぜ絶えることなくそのブナの林が残ったのでしょうか。
今回はそんな白神山地の地質の不思議について考えてみたいと思います。
白神山地の地質は、およそ9,000万年前にできた花崗岩の上に、海底火山の灰や、数千年前の堆積岩やマグマが上昇することでできた岩などが積もってできたものです。
土の中から、貝殻も見つかっていることから、海底が隆起を繰り返すことでできたとも考えらえています。
白神山地はとても高い山々が多いにもかかわらず、その中から貝殻などが発掘されることは自然の神秘を物語ります。
その地殻変動にとって、海底がこの山底に確かに眠っていることを物語っているようでとても不思議な感じがします。
そしてこの神秘的な地質にブナの原生林が宿っていることは、幾重の自然の軌跡の結晶であるに違いありません。
神秘的な地質の上に生きるブナの原生林
青森と秋田県の県境をまたぐ白神山地には、現在13万ヘクタールにも及ぶ広大な山地にブナの原生林が残されています。
近年の地質の調査では約8000年前から神秘的なブナの原生林がここに息づいていたことが判っています
つまり8000年前とは、氷河期が終った直後から長い年月をかけて形成されていたと考えられています。
なぜそんなに長い間に白神山地にブナが生き延びてきたのか・・・それはこの地質を大いに関係をしているのです。
白神山地の整えられた地質
隆起してできた地層の上には、雨水がたくさん降ることで豊かな土壌ができ、白神山地にはたくさんの清流ができました。
この水の豊かな土壌は、良質な地質を造り、ブナが育ちやすい環境が整えられていきました。
白神山地の地質は非常に保水力に優れている森であり、白神山地にはたくさんの清流も流れています。
また良質な地質だけではなく、ブナそのものにも自分自身で生き延びていく力があるのです。
それはブナの葉が落ちて、厚く敷き詰められて腐葉土になる性質を持っています。
やがてそれを繰り返していくと、何百年も何千年も繰り返すことで、ふわふわな土になり、自らも良質な地質を造ることに勤しんでいるのです。
こうして考えてみると、たくさんのプロセスと奇跡の上に白神山地が成り立っていることがわかります。
まさに自然の雄大なパワーがここには白神山地には確かにあるのです