小さな菅沼集落が世界遺産へ
世界遺産・白川郷合掌村は、世界遺産に登録されてますますその知名度を高めていますが、実は登録されている正式名称は『白川郷・五箇山の合掌造り集落』であり、実は岐阜県と並んで富山県の「菅沼合掌造り集落」も世界遺産として登録をされています。
規模が少し小さいため岐阜県の方にスポットがあてられがちですが、この小さい山間に佇む集落にスポットをあててみたいと思います。
菅沼集落は『白川郷・五箇山の合掌造り集落』が世界遺産に登録をされたのは、1995年で富山県南砺市菅沼に位置しています。
このあたりの地域のことを、五箇山といい、赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つの谷から構成されたことがその由来となっています。
その5つの谷を「五箇谷間」といい、これが転じて「五箇山」の地名となりました。
世界遺産に登録をされて以降、五箇山にも多くの観光客が訪れるようになりました。
小さな村がその世界的な評価をされるというのもどこか感動的で、菅沼集落を大事に伝統を守り抜いてきた人々の努力の上に世界遺産に登録がなされたといっても過言ではないでしょう。
自然優美な空間と、決して交通網に恵まれているわけでもなく、恐らくどこか都会の人達からすればそのアクセスのしにくささえもが、きっとこの菅沼集落の原風景を支えているに違いありません。
菅沼集落とは・・・
菅沼集落には現在、わずか12棟の家屋しかありませんが、そのうち9棟が合掌造りです。
9棟のうち江戸時代末期に建てられたものが2棟、明治時代に建てられたものが6棟、大正時代に建てられたものが1棟という構成になっています。
実はここはかなりの豪雪地帯として知られており、その厳しい環境を生き抜くための住まいとしてこの合掌造りが発達をしました。
また住まいとしての機能だけではなく、仕事場としてもその役割を果たし、主に養蚕などにも利用されてきました。
また現在は安価な輸入品などの影響によりその産業は衰退をしてしましましたが、江戸時代には鉄砲の火薬の原材料であった塩硝などの産業などでこの集落を支えていました。
小さいながらも後世に残したい菅沼集落
菅沼集落はその歴史的建造物が評価され、重要伝統的建造物群保存地区に平成6年12月21日選定されています。
変わりゆく時代の中でも変わらないもののよさを菅沼集落は訪れるものを魅了し、それを伝え続けているような感動的な光景がここには残されています。
ここを訪れるときがあれば、ぜひそののどかな原風景をじっくりと堪能してみてくださいね。
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