厳島神社の能舞台とは・・・
広島県の厳島神社は朱色の回廊がとても印象的で、ここを通って厳島神社の中を見学することができます。
厳島神社のシンボルである大鳥居は、見る角度によって味わい深く、また改めて厳島神社の中からみるのもまた情緒あふれる光景でもあります。
厳島神社は大鳥居をはじめとして、本殿、平舞台、高舞台、反橋、廻廊など国宝や重要文化財の構成資産がたくさんあります。
今回はその中でも少し奥にある能舞台についてご案内をしていきたいと思います。
国内で唯一の海に浮かぶ能舞台として、知られており国内の能舞台の一つでもあります。
厳島神社の能のはじまりとは、1568年の観世太夫がその始まりとされ、1605年に福島正則が常設の能舞台としました。
そして現在の舞台は1680年に広島藩主であった浅野綱長によって造営されたものです。
厳島神社の舞台の特徴とは・・
海の浜にこの舞台はたてられていますが、潮が満ちてくると舞台が海の上に浮かんでいるような、自然の美しさの奥義を見せてくれる自然の景観の中に生きる舞台なのです。
この舞台にはいくつかの工夫が施されています。
例えば、能舞台は海の上に位置しているため、普通の舞台とは異なり共鳴用の甕(かめ)とよばれるものがないのです。
そのかわり足拍子の響きをよくするため舞台の床を一枚の板のように造られているのです。
床板を受ける横木の間隔を広くとり、足拍子の響きがよく伝わるようになっているのです。
残念ながら1991年の台風で破壊されてしまったのですが、1994年に復元がされています。
やはり海にそびえたつ舞台とは自然の驚異ともまた背中合わせなのでしょう。
それでもやはりここにしかない美しい光景は厳島の神社の誇りでもあり、日本の芸事の力強い魂さえ感じることができます。
厳島神社での能舞台
春の桃花祭の神能はここ厳島神社の能舞台で演じられ、毎年4月16日から3日間、広島の地元の方はもちろん、東京などの遠方から計400人もの能楽師が集まり、ここ厳島神社で能や狂言が行われます。
海にまるで浮かんでいるような能舞台でみる芸事はふだんとは少し異なる、自然とともに生きる厳島神社の原点を見せてくれる感動的な光景です。
能に使われる衣装なども全国的にはかなり大きい規模のものなのだとか。
短い期間であるが故にその価値も高まり、日本の伝統と文化に触れることのできる貴重な3日間となりそうです。
伝統と信仰が往時の時代と変わらず確かにそこに息づいていることを感じ、いつもとは少し違う能がここ厳島神社では楽しむことができそうです。
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