奥日光にある温泉寺とは・・・
今回ご紹介するのは、奧日光の湯の湖にある温泉、温泉寺についてです。
実は温泉寺の歴史は非常に古く9世紀から知られていたといいます。
実はその名前の通りにここは温泉のあるお寺として知られており、そのユニークさが観光客の間でも話題となっています。
この温泉寺を発見したのは、日光の開山の祖として知られている勝道上人とよばれる人物です。
788年にこの温泉を発見して、背後の山を温泉ケ岳と名付け、そこに湧き出る温泉を薬師湯と名づけ、人々が病気から苦しむことがないようにと薬師如来様をお祀りしたことがはじまりとされています。
そして人々の間にもこの信仰が浸透していき、温泉寺は人々の療養の名湯として知られていくようになりました。
江戸時代に入ると、「日光山 輪王寺」の管轄の寺院となったことで、その名前が知られるようになりました。
その後この温泉は薬師信仰のもと、庶民の療養延年の名湯として知られるようになり、江戸時代には、輪王寺宮の直轄寺院としてその名が広まりました。
この温泉寺はとても大事に保護をされていたことから、霊場としてもその役割を果たしていたことが伺えます。
実際に、中禅寺上人や日光奉行のといった重要な人物の許可がなければ当時は入湯すらできなかったといわれています。
温泉寺の生命力とその奇跡とは・・・
温泉寺の本尊は、裏山の頂上にあったが、1966年の台風によって温泉寺の薬師堂は倒壊をしてしまいます。
しかしながら不思議なことの御本尊である薬師如来像は壊れることなく岩の上にあり、その奇跡は地元や観光客の間でも非常にうれしいニュースとして話題になりました。
その奇跡に感激をした人々と、日光の輪王寺の発願もあり、薬師堂は復興を果たすことができました。
人々に愛される温泉寺
復興を果たした温泉寺の薬師堂は、全国にも珍しい温泉の源泉からそのまま引かれた湯船を庫裡(くり)に持つ寺として知られており、現在では「温泉のあるお寺」として知られるようになりました。
お寺の管理は中禅寺湖にある輪王寺が管轄しており、温泉寺はその別院とされています。
現在この温泉寺は、「健康増進・延命長寿」など薬師如来様の恩恵をいただくことができる湯として親しまれています。全国的にも温泉のあるお寺とはなんとも珍しいそうなのですが、お寺に参拝をして湯治としても機能をしている温泉寺はまさに、一石二鳥の恩恵が受けられるからうれしいものです。
日光から少し足を伸ばして奥日光を訪れて、大自然の中に佇む温泉寺でのんびり過ごすのもまた、日光の楽しみ方の一つなのかもしれません。
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