日光の開祖である勝道上人が造った立木観音とは・・・
東武日光駅から車で一時間ほど山の方に入っていくと、中禅寺湖がみえてきます。
また日光東照宮の歴史的建造物とは異なるその自然豊かな光景に、また一つ日光の魅力に出会えたような気持ちになります。
その中に湖畔に静かにたたずむ古刹である、立木観音とよばれる場所があります。
実はここ日光開祖の僧侶として知られている勝道上人が関わっている場所でもあります。
勝道上人が刻んだという十一面千手観音菩薩が祀られていることでも知られています。
左右の手は寄木造りの技法で、造られた当時のままの全高6メートルの姿を現在に伝えています。
今回は日光に深いかかわりともった勝道上人がなぜここ奥日光に立木観音を造ったのか、その歴史と背景について考えてみました。
東武日光駅からの立木観音へのアクセスの仕方とは・・・
中禅寺湖を観光をするのには、車でも便利ですが、観光地だけあったバスでの日光駅からバスでのアクセスも可能です。
日光駅から東武バス中禅寺湖方面行きで45分、中禅寺温泉で東武バス立木観音前行きに乗り換えて5分、終点下車して徒歩3分の場所にこの立木観音があります。
車でのアクセスの場合は無料の駐車場あるので、それも嬉しいものです。
生命力のある立木観音と勝道上人
十一面千手観音像は胴体部分が根がついたままの立木の状態で彫られていることから、立木観音と呼ばれるようになりました。
桂の立木を勝道上人自身が刻んだというから驚きです。
勝道上人は人々に親しまれた僧侶ですが、このように手先もまた器用で、こうしてその日光開祖として歴史上の人物たけではなく、歴史的建造物もこうして後世に残していることには感銘を受けます。
なぜ千手観音像を勝道上人が刻んだのかといえば、西ノ湖に船出したときに、水の中で千手観音が見たのをきっかけとして、その姿を彫ったと伝えられています。
しかしながら、明治35年の大山津波で中禅寺湖に立木観音は沈んでしまいましたが、奇跡的に浮き上がって引きあげられたのだとか。
日光の伝説には勝道上人がたくさん登場しますが、勝道上人が関わってきたものには温泉寺もしかり、災難逃れるパワーが宿っているような気がします。
勝道上人のその厚い信仰心と生命力が数々の試練を乗り越え、こうして現代にたくさんの勝道上人にまつわる伝承や歴史的にゆかりのある場所などが伝えられていることは、勝道上人が多くの人達の支持を受けていたからに違いありません。
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