富士五湖はいわゆるせき止め湖
富士山の麓に佇む富士五湖はどのようにしてできたのでしょうか。
その歴史と謎について考えてみたいと思います。
富士の北麓に点在する5つの湖は、山中湖、河口湖、西湖、精進湖、本栖湖といいます。
これらは富士山から流れ出した溶岩によって麓を流れていた川がせき止められた湖です。
つまり典型な「せき止め湖」と表現するのがふさわしいでしょう。しかしその5つの湖はそれぞれ異なる個性をもち、水深や面積なども様々です。
これを考えるにあたってやはり外せないのは何度となく、繰り返された富士山の噴火です。
今回はこの富士山の噴火とともに形を変えていった富士五湖について考えてみたいと思い、ます。
富士山の噴火と富士五湖の歴史的変遷とは・・・
約500万年前は富士五湖は海の底にあり、富士川も海の底にありました。
約70万〜20万年前、小御岳火山と愛鷹火山が活動をはじめ、さらにのちには古富士火山の活動に伴い、東に宇津湖(現在の山中湖・忍野八湖)、北に古せの湖(現在の河口湖・西湖・精進湖・本栖湖)ができました。
そして今から5,500年前から始まった新富士火山の激しい噴火活動は何度なく繰り返されました。
そのため山の麓にはたくさんの火山灰が降り積もり、宇津湖や旧河口湖のほとんどがそれによって埋め尽くされてしまいました。
新富士火山の度重なる活動により川に溶岩が流れこみ、古せの湖に流れ込んだ熔岩は最も西側の部分が切り離されて本栖湖を誕生させました。
864年に起こった山麓からの大規模な溶岩流出によって、西湖と精進湖という小さな湖を残すだけになってしまいました。
一方旧河口湖のあった地域を水源として,富士吉田市の方向に流れていた太田川がせき止められて、現在の河口湖のもとになる小さな湖がつくられました。
西暦937年の鷹丸尾溶岩流は川をせき止め山中湖が誕生しました。
美しい富士山と富士五湖
こうして度重なる富士山の噴火がとともに富士五湖も様々な歴史的は変遷をたどって誕生したことが伺えます。
しかしよく考えてみると、レジャー向きの湖もあれば、富士山を線対称に映し出す美しい湖までその表情も様々であり、どれをとっても美しさの賜物であることは変わりないことに自然のすばらしさを改めて実感されられます。
約1707年の宝永の噴火以来、富士山は噴火活動を停止して、約1千年間の間その美しさの中に沈黙を守り続けています。
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