古くから信仰の対象として崇拝されてきた富士山
富士山は、太古の昔から噴火や溶岩の流出が耐えることなく続いていたことから、その圧倒的な存在感から畏怖の念を人々におこさせて、恐ろしく神秘的な山として霊峰富士山として古くから多くの信仰を集めていました。
そのため富士山は多様な信仰の山として古くから遥拝の対象でもありました。今回はそんな富士山と山岳信仰について考えてみたいと思います。
山岳信仰の歴史とは・・・
富士山を神格化してその信仰の対象とされてきたのは、8世紀ころと考えられていますが、富士山周辺には、富士山を意識したのではないかとの学説がある1万3千年前〜1万4千年前の住居址や配石遺構がいくつか発見されています。
そして様々な文献や歴史的な建造物の中に信仰がみられるようになったのは噴火を繰り返してきた富士山の噴火を鎮めるために、平安時代初期にできた「浅間神社」です。
富士山そのものや、富士山に鎮座する神を「浅間大神」として祀るようになり、各地に遥拝所としての浅間神社が建立されていき、富士山への信仰次第に人々の間にひろまっていきました。
平安時代後期には修験道の道場へ
そして富士山の噴火活動が沈静化したことで、平安時代後期には富士山は日本古来の山岳信仰と密教・道教(神仙思想)が習合した修験道の道場として発展を遂げていきます。
そしてそれまでは富士山を遥拝していた信仰の仕方から、修験者などが富士山の中を巡礼することで、富士山からのパワーを獲得するための修行の山として変化をしていきました。
中でも有名な人物として知られているのが、末代上人であり、富士山に数百回登山をして、修行をした人物として知られています。
そして登山道が開かれ登拝する山として庶民に親しまれ、登山道はいずれも14〜15世紀後半に開かれたとされたと考えられています。
この頃には参詣者ための宿坊も富士山の麓に造られ、たくさんの登山者が富士山に登れるように整備がはじまり、富士山への信仰がより身近なものもなっていきました。
登山をして信仰する山へ発展を遂げた富士山
そして次第に富士山は山頂部へ登っていくことが、重要な意味を持つようになり、登山する山として一般に広く信仰されるようになりました。
世界遺産に登録をされた今、富士山が聖地であり、山岳信仰の場所であり、神が宿る場所であることを忘れずに、一人ひとりの心がけが今求められているに違いありません。
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