世界遺産に登録をされた富士山
2013年6月22日、カンボジアの首都プノンペンで開催されたユネスコの世界遺産委員会により、富士山の世界文化遺産に登録することが決定されました。
日本の世界遺産の登録は2011年の小笠原諸島との平泉以来と2年ぶりとなり、日本の世界遺産は計17件の登録となりました。
また最終的に富士山からの遠い距離が問題となっていた景勝地「三保松原」は、逆転ホームランで、富士山とともに世界遺産に登録をされました。
富士山が文化遺産としての登録
富士山は山岳であり、霊峰であることから自然遺産として登録されたと思う方も多くいらっしゃると思いますが、富士山は文化遺産として世界遺産に登録をされました。
富士山が「自然遺産」として登録ができなかった理由は、ゴミ投棄などの環境保全の問題にあり、富士山の麓にはたくさんのゴミが放置されていたことがその理由の一つに挙げられます。
現在では環境保全への取り組みも進み、山小屋のトイレが整備されたりと、登山者の意識も高まり、姿形だけではなく、富士山は名実ともに美しい姿として親しまれています。
この世界遺産の登録までの道のりは約20年もの歳月にもわたりましたが、これからも美しい富士山であるためには私たち一人ひとりの意識がそれを支えているに違いありません。
富士山が世界遺産に登録をされた理由とは・・・
数万年もの前から噴火を繰り返し、かつては二つの山だった富士山が今のようなかたちになったのは縄文時代とも言われています。
その自然の驚異である噴火から、神が宿る山として山岳信仰の対象として、古くから崇められてきました。
その噴火を鎮めるために建立されたのが、富士山の麓にある浅間神社です。
そのため、富士山は太古の昔から山岳信仰の対象として、親しまれてきたこと、またそれを如実に表しているものが浮世絵です。
またそれは日本の芸術文化に大きく寄与するものであり、特に葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は海外の人たちを魅了した傑作といわれています。
さらに時代を遡れば、最古の歌集「万葉集」、その後「竹取物語」「古今和歌集」などの古典作品にも富士山について描かれています。
富士山の普遍的な美しさとともに
そして世界遺産に登録をされたことの大きな理由はやはりその名山としての美しさにあります。
富士山の麓にある湖に映し出される美しい富士山、山頂から見えるご来光、日本富士山の景観は言わずもがな美しく、日本を代表する名山のひとつです。
日本一高い山ゆえに、その美しい容姿は遥か遠くからでも見渡すことができます。
富士山をみると、自然と拝みたくなってしまうのは、私たちの大和魂が富士山と共に生きているからに違いありません。
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