上賀茂神社と下鴨神社の共通点と相違点について考えてみよう！

日本の世界遺産の楽しみ方＞古都京都の文化財＞上賀茂神社と下鴨神社の共通点と相違点について考えてみよう！

下賀茂神社

京都の世界遺産である、上賀茂神社と下鴨神社について今回はご案内をして行きたいと思います。

上賀茂神社は古代山城の豪族賀茂氏の氏神として、正式名称を「賀茂別雷神社（かもわけいかづちじんじゃ）」といい、古来から信仰を集めています。

かつて、この地を支配していた豪族、賀茂氏の氏神を祀ったのが起源とされ、上賀茂神社（賀茂別雷神社）は下鴨神社（賀茂御祖神社）と共に、賀茂氏の氏神を祀る神社として、葵祭（賀茂祭）などは賀茂神社両社共同で実施されます。

葵祭は、祇園祭、時代祭と並ぶ京都三大祭の一つとして知られており、京都御所から下鴨神社から上賀茂神社へ道を、総勢500名を超える人たちが歩き、まるで平安時代の絵巻物のような優雅で艶やかな行列を見ることができます。

これは京都最古の祭で、行列のすべてに葵の葉が飾られており、毎年5月15日に開催されています。

上賀茂神社は、二の鳥居を入ると突然円錐形に整えられた砂が見えてきます。

これこそが上賀茂神社のシンボルでもあり、『立砂』とよばれるものです。

立砂は細殿前に作られ、神様が最初に降臨された上賀茂神社の北2kmにある神山を模して造られたものといわれています。

冬の雪の日に出会った立砂は神秘的な様子を呈していて、なんだか神様に少し近づけるようなそんな気がする神々しい光景であります。

一方、下鴨神社の境内の中には京都を流れる鴨川と高野川に挟まれた三角地帯に位置していることから、緑が豊かで水のせせらぎがとてもきれいな、聖域にいることを実感できる神社です。

下鴨神社の楼門そばに相生神社という縁結びの神さまが祀られており、若い人たちにも人気のパワースポットとして知られています。

下鴨神社の境内の中にはもう一つ、尾形光琳が「紅白梅図屏風」に描いた梅、光琳の梅とよばれる場所や、神の霊が宿るとされる『さざれ石』などもあります。

さざれ石

下鴨神社には、立砂はありませんが、パワースポットや七不思議のいわれなどをもつ見どころが多い神社です。

二つの神社の『カモ』という漢字が異なることに気づかれた方も多いと思います。

これはもともと二つの神社があわせて「賀茂社」といわれていましたが、上の社を上賀茂神社、下の社を下鴨神社とよばれるようになり、二つの社の名称が誕生したといわれています。

『上賀茂神社』も『下鴨神社』も実はどちらも通称名であり、正式には『賀茂別雷神社』、『賀茂御祖神社』で、どちらも「賀茂」と書きます。

つまりいつのまにか通称名で親しまれていた間に定着してしまい、いつしか下鴨神社とよばれるようになったと考えられています。

全国には賀茂社の摂社・末社は約1000社近くありますが、それらも「賀茂」「加茂」「鴨」などというようにさまざまな文字が使われています。

上賀茂神社と下鴨神社にはそれぞれのよさとそして少し異なる特色があるので、それぞれのよさを見比べてみるのも、また京都旅行の一つの楽しみ方といえるでしょう。

モト旅行会社勤務が語る！日本の世界遺産の楽しみ方