京都の世界遺産・東寺と空海から読み解く真言宗の世界とは・・・

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世界遺産に登録をされている京都の東寺は歴史上では西寺と一緒に建立されたといわれていますが、西寺は現存しておらず、東寺はほとんど往時の時代を変わらずに現世まで、京都を見守り続けています。

今回はそんな東寺の謎を読み解き、京都における東寺の意義についてご案内していきたいと思います。

東寺は正式には教王護国寺といい平安京造営の際、都の南玄関として、羅城門の東に作られました。

京都の東寺

今から約1200年前平安京が造営され、その名の通り平安を願い造営されたものであるが、実際はその名ばかりで災害、疫病、飢餓などの悪事が立て続けに起き、これは悪い霊の仕業だと考えられていました。

時の人、桓武天皇は平安京を造営した責任から非常に頭を抱えていました。

桓武天皇の死後、嵯峨天皇の時代になり、空海は中国からの密教の勉学を終えて都に戻ってきました。

空海が帰国してから17年後に、嵯峨天皇の強い願望により東寺の建立が開始されました。

嵯峨天皇よりこのあらゆる災いを鎮める使命を託されたのが空海であり、真言宗総本山として東寺を造り上げていきました。

これは日本で初めて密教寺院が誕生したことでもあり、東寺は非常に意義のあるものであり、国や天皇、庶民からの信仰を作り上げていきました。

東寺を託された空海は、密教の主尊である大日如来を境内の中心に配置し、仏教世界の曼荼羅を表現したともいわれています。

京都の東寺の門

東寺は実は非常に長い間をかけてつくられ、90年もの歳月をかけてつくられました。

これは真言密教の根本道場となり、立体曼荼羅という金剛界、胎蔵界、両界が融合した考え方は彼の発想で造られたものでもあります。

また東寺の建立とともに、空海は誰でもが勉学ができる「綜芸種智院」をつくり、分け隔てることなく幅広い教育の大切さを世の中に伝えました。

そしてこの東寺で国家鎮護を願うとともに、修行者のための道場を高野山に造りました。

これが真言宗の総本山としての高野山の始まりでもあります。

東寺の五重塔

高野山は和歌山県の霊峰に包まれたまさに聖域といえる場所であり、それだからこそ高野山は自然や宇宙とも近い場所とされ、壮大な信仰の場をつくりあげました。

空海が東寺の建立に携わることがなければ、高野山に霊場ができることもなかったのかもしれません。

幾年もの時代を超えて、今もその空海の霊場は大切にされています。

そして京都の世界遺産としての東寺、紀伊山地の世界遺産としての高野山、この二つが時代を超えて評価をされたことは空海もきっと喜んでいるに違いありません。

何より私たちがこの偉大な教えを後世に伝えていくことも大事な任務に違いありません。

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