徒然草にもたびたび登場する仁和寺の歴史とその散策ポイントとは・・・

日本の世界遺産の楽しみ方＞古都京都の文化財＞徒然草にもたびたび登場する仁和寺の歴史とその散策ポイントとは・・・

仁和寺は京都を代表するお寺の一つであり、徒然草の「仁和寺にある法師」の話でも何度も登場する有名な世界遺産に登録をされている真言宗御室派総本山のお寺です。

御室とは、宇多天皇が仁和寺の中に住居を構え、法務の御所としたので別名「御室御所」と呼ばれています。

本尊は阿弥陀三尊を祀り、桜の名所としても知られ、毎年桜の時期と紅葉の時期は多くの参拝者でにぎわいます。

今回はそんな仁和寺についてご案内をしていきたいと思います。

平安時代の886年光孝天皇の勅願により着工しましたが、完成したのは没後888年で、宇多天皇の時代に金堂が完成しました。

宇多天皇は退位後の899年、出家して真言密教の修行を行い、仁和寺の境内の中に皇室の住居をつくったことから御室御所ともよばれています。

それ以後、明治維新まで仁和寺では皇族が門跡となり門跡寺院の筆頭として機能していました。

そのため仁和寺では門跡寺院として格式が高かったことを象徴するかのように、「徒然草」や「方丈記」など古典にも数多く登場します。

仁和寺の伽藍の大半は応仁の乱で焼失をしてしまい、寛永年間（1624-44）に再興を果たします。その後徳川家光の時代の1634年に紫宸殿や清涼殿が移築し金堂がつくられ、御影堂は旧清涼殿の木材を利用して建立されました。

霊宝館には、阿弥陀三尊像や孔雀明王像など多くの重要な像を所蔵されています。

1994年12月「古都京都の文化財」として仁和寺は世界遺産に登録をされ、その見事な伽藍は多くの人を魅了しています。

仁和寺を訪れると、入り口にはふさわしい朱塗りの仁王門が出迎えてくれます。

これは江戸時代に建立されたもので、徳川家光の寄進で左右に金剛力士が安置されていることから二王門ともいわれています。

二王門をくぐった左側に旧御室御所の御殿がみえてきます。

本坊（御殿）の中に入ると、美しい白砂でつくられた落ち着いた雰囲気のある南庭があります。

回廊を進んでいくと今度は池を中央に配置した北庭があり、ここは紅葉のシーズンともなれば仁和寺の中でも美しい場所といわれています。

また仁和寺を訪れたらぜひ注目したいのが、重要文化財にも指定されている五重塔です。

五重塔を背景にした茶室「飛濤亭」の景色はまた情緒あふれる光景で、桜のシーズンはまさに絶景そのもの。

境内の中にある背丈の低い桜は「御室桜」として4月になると美しいピンク色が出迎えてくれます。

仁和寺には、京都の中でも静けさ漂い、いつ訪れても安らぎを与えてくれる癒しのお寺です。

モト旅行会社勤務が語る！日本の世界遺産の楽しみ方