銀閣寺の本堂から学ぶ文化、そこに刻まれた言葉の意味とは・・・

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銀閣寺

銀閣寺の中を入って、「銀沙灘」の北側に「本堂」が建っています。

これは釈迦牟尼仏が本尊として祀られている場所であり、江戸時代初期に再建されたものであるといわれています。

また足利義政と妻日野富子の位牌も安置されてい,ます。

少し余談になりますが、妻日野富子は悪女として知られていた義政の妻であり、このような悪名高い妻と、老死後までも一緒に過ごすことはもしかすると不本意なことなのかもしれません。

銀閣寺

本堂の正面には「東山水上行」と書かれています。

銀閣寺のこの本堂にかかれている意味がなんとなく気になる方も多いと思いますが、その言葉だけをみても一体どういう意味なのかと思われる方も多いと思います。

実はこれは禅師の雲門文堰とよばれる人物が残した言葉であり、東山とは中国の湖北省にある馮茂山の別名のことを指します。

山は絶対に不動であり泰然としているものが本来の姿のはずです。

しかしそれが「川の水面を流れて行ってしまった｣と言うのは、常識や理屈ではありえないことです。

つまりこのことばが伝えたかったこととは、私たちは常に相対的に物事を考えていて、どちらがいいのか、善か悪か、生か死かというようにつねに何かに執着しているからこそ、苦しめられているということです。

つまり私たちがもっているどちらかという概念を捨てて、山は山、川は川というように、そのものを見るべきであるということを伝えているのです。

銀閣寺の本堂に書かれていた東山水上行という、その奥深い意味を知るとなんだか心を打たれます。

これはこの時代に限らず、今もなお、私たちの中に大切にしていかなえければならない気がしてならないものです。

銀閣寺

本堂内部には江戸時代の俳人、画家の与謝蕪村と画家池大雅の共作による襖絵があり、これは本堂の見どころといえるでしょう。

またこれは平成4年には京都市指定文化財となっています。

また本堂における絶景の楽しみ方といえば、方丈から見る砂を波形に盛り上げた銀沙灘、円錐型の向月台はまさに趣のある光景です。

向月台の上に座って東山に昇る月を眺めたと言われていますが、現在のような形になったのは江戸後期になってからなのだとか。

本堂は観音殿の比べると、あまり見応えがないと思われる方も多いと思いますが、じっくり観察をしてみるとそのよさがわかるのが、銀閣寺の本堂の魅力なのかもしれません。

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