西本願寺の雀の間に伝わるユニークな伝説と、斬新なアイディアの天井とは・・・

日本の世界遺産の楽しみ方＞古都京都の文化財＞西本願寺の雀の間に伝わるユニークな伝説と、斬新なアイディアの天井とは・・・

京都の西本願寺にはいくつかの面白いスポットがありますが、その中の一つに国宝に指定されている面白い言い伝えのある場所があります。

それが「抜け雀の間」とよばれるところで、今回はこの西本願寺の「抜け雀の間」についてご案内していきたいと思います。

御影堂の南西に位置する書院は、近世の書院造を思わせる構造になっています。

南側の対面所と北側の白書院から成り立っており、この対面所の西側にあるのが、控えの間である雀の間なのです。

このほかにも対面所には、雁の間、菊の間があり、北側には納戸2室を挟んで白書院がある構造となっています。

この雀の間は、お給仕をするための控え室として、当時利用されていました。

西本願寺の鴻の間の西南角にある「雀の間」の襖には、円山応瑞の名作「雀と竹の図」が描かれています。

円山応瑞は江戸時代後期の絵師で、円山応挙の長男であり円山派の2代目として活躍していた人物です。

対面所の西にある雀の間には、竹林の中を楽しそうにそしていきいきと飛び回る雀が描かれています。

この間には88羽描かれたとされているのにもかかわらず、実際は86羽しか存在していないのです。

2羽（にわ）は「庭（にわ）に逃げた」といわれ、「抜け雀の間」といつしかよばれて親しまれています。

西本願寺にはさまざま伝説や言い伝えが残されていますが、こうしたユニークな言い伝えは色々な解釈でできます。

実物に近く、臨場感あふれるように描かれているということを示しているのかもしれません。

実は西本願寺の雀の間の天井も実はちょっとユニークなのでぜひここは注目したい場所です。

天井の花の絵では縦６枚、横６枚で合計36枚敷き詰められています。

この天井のコンセプトは一年間に見ることができる四季折々の花が36種類描かれています。

1枚あたり10日で、暦のとして楽しむことができるように描かれているようなのですが、どの絵がどの時期かは不明であります。

それでも現代ほど多くはなかったであろう、花の種類を想像しながら楽しむのもまたここ雀の間の楽しみ方でもあります。

天井にカレンダーを敷き詰めるとはなんとも斬新な発想がうかがえます。

一見何も知識ななければ気づかないことも、その言い伝えなどから紐解くとたくさんの面白い伝説が残されているので、ぜひ色々と知識をつけてから西本願寺を見学するときっと一層楽しむことができるでしょう。

モト旅行会社勤務が語る！日本の世界遺産の楽しみ方