東大寺の大仏の建立
世界遺産に登録をされている奈良県・東大寺の大仏は修学旅行などでも、メジャーな観光地として親しまれています。
今回はそんな東大寺の魅力とその歴史についてご案内をしていきたいと思います。
東大寺の始まりは、728年、聖武天皇が皇太子供養のため建立した金鐘寺がはじまりとされています。
聖武天皇は、当時の疫病や、災害、そして反乱など、様々な社会不安を取り除くために仏の力をよって、世の中を平和になるようにという鎮護国家思想により、 全国に国分寺の創建しつつ大仏造立をはじめました。
当時仏に従事していた者が寺を 仏に仕える者が協力して寺を建て盧舎那仏を鋳造したことを聞いて大いに感動したことがきっかけとなり、聖武天皇は745年に10月15日に「大仏造顕の詔」を発し、752年に完成しました。
それが奈良の大仏のはじまりであり、奈良の大仏は正式な名前は『盧舎那仏』といわれています。
なぜ奈良の大仏は『盧舎那仏』とよばれているのか、その仏教の深い教えについて考えてみました。
東大寺の大仏のその壮大なスケールとは
ここ東大寺は世界の最大級が三つもそろっている、その壮大なスケールは圧巻であり、訪れるものを魅了してやみません。
なぜ東大寺に3大がそろっているのかというと、ます東大寺を訪れると南大門にある仁王像が出迎えてくれますが、これは日本最大級の木彫像であるとされています。
さらに大仏殿は世界最大の木造建築物とされており、中にある大仏は世界最大の金銅仏とされています。
東大寺の大仏と盧舎那仏
東大寺の大仏は毘盧遮那(ビルシャナ)大仏の造営に始まったとされており、毘盧遮那(ビルシャナ)は、サンスクリット語で『 太陽・光明の意、華厳経の教主』という意味を持っています。
華厳経にはお釈迦様の身長を10倍することによって、無限大の宇宙を表現するという教えがあるそうです。
そのことから東大寺の大仏は盧舎那仏といって、宇宙そのものの象徴として大切に祀られているのです。
752年に大仏の開眼法会が盛大に行われ、平安時代の密教で宇宙の源の仏とされる大日如来は、 ビルシャナ仏から発展していった仏であると考えられています。
盧舎那仏は、華厳経の教理では釈迦如来と同一であり、一切万物を救済する仏とされているのですね。
奈良時代から1300年経った今でもこうして、この世に生きるものすべての幸福を願い、見守ってくれているに違いありません。
何度かの火災で焼損し現在の大仏像の頭部は往時のものは残っておらず、江戸時代のものであり、体部の大部分は鎌倉時代のものとなっています。
是非東大寺のハイライトである、大仏をみればきっと訪れた人誰もをあたたかく迎えてくれる大仏の優しい心に触れることができるでしょう。
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