世界遺産として登録をされた古都奈良の文化財とは・・・
1998年に古都奈良の文化財に世界遺産に登録をされた構成資産は全部で8つから成り立っています。
登録地域の面積は、構成資産 約620ha、それを保護する緩衝地帯は約2500haととても広大な範囲に及んでいます。
そこにある東大寺、春日大社、春日山原始林、興福寺、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡の8つの資産は、奈良時代の文化を現代に忠実に伝え、そしてそこに生きた時代の人たちの想いや願いがたくさんつまった日本人の誇るべき財産です。
世界遺産に登録されている資産のうち、建造物群25棟が国宝、53棟が重要文化財に、平城宮跡が特別史跡に、春日山原始林が特別天然記念物に指定されています。
今から1300年前の奈良時代に、これだけの高い技術が日本に兼ね備えていたことはそこに感動さえ宿るものです。
今回はそんな古都奈良の文化財が、なぜこれほどまでに評価を受けたのか、その原点を探ってみたいと思います。
奈良のまちを歩いて、世界遺産に登録をされた理由を見つけてみよう!
奈良駅を降りて、何気なく奈良の町を散策してみると不思議なことに地図を持たなくても、やんわりとそのよさがわかってくるのです。
それはまるで奈良時代にタイムスリップかのように、平城京跡や春日山の原生林など、仏教木造建築を残しています。
これだけ限られた地域の中にたくさんの文化的財産があるところは、まさに奈良の魅力であり、世界遺産に登録されるにあたってもとても高く評価されたことでもあります。
自然界と歴史的建造物が融合し、これだけたくさんの文化的財産が密集しているというのも、世界の中でも世界の中でも珍しいと言われています。
そう考えると、8つの構成資産は個別に世界遺産として評価をされたというより、8つが融合することで、当時の奈良時代を伝える貴重な財産として評価をされたといえます。
奈良時代の寺院建築様式を今に伝える建造物群であることであることが、世界遺産として登録をされる上で評価をされたというのがふさわしいかもしれません。
世界遺産に登録されたもう一つの理由
当時の奈良時代は、中国からの影響を大いに受けて仏教建築が盛んに行われ、8世紀の中国、朝鮮半島との文化的交流がうかがえる点が高く評価されました。
そして中国大陸との交流は、日本の文化や後世に大きな影響を及ぼし、日本独自の神道思想や仏教文化の発展につながっていきました。
それは今日にもその影響は少なからずとも、私たちも受け継いでおり、日本の仏教文化、日本建築、日本美術の進化は今もなお私たちの中に息づいています。
奈良の世界遺産と考えると、それは奈良に行かないとわからないものではなく、実は私たちの思想や祈りにさえも、奈良時代の原点が宿っているのかもしれません。
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