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東大寺の南大門

東大寺南大門

 

奈良の東大寺を訪れると、わが国最大の山門ともよばれる南大門が見えてきます。

 

大仏殿にふさわしく重厚感のあるつくり、厳しい強面の阿形吽形の金剛力士立像が安置されていて、とても歴史を感じる門です。

 

シンプルな色使いのある門でありながら、歴史を感じる古めかしさがまたとても趣のある光景を作り出しています。

 

この大きな大仏殿の正門に相応しい南大門は、幅29メートル、高さ25メートルを誇る日本最大級の門で、鎌倉時代に再建されています。

 

つまり再建ということから、一度は倒壊してしまったことがわかります。


倒壊した南大門

東大寺南大門

 

東大寺は創建された当初は、奈良時代の仏教の道場として、大いに栄えた場所でしたが、平安時代には相次いで天災や火災による被害を被った歴史があります。

 

 

まずは、講堂と僧坊が火災によって焼失してしまい、西塔も落雷によって失われることになります。

 

そして962年に起きた暴風によって南大門も倒壊してしまいます。そして平安時代の末期には、平重衡に、東大寺は攻め込まれてしまい、大仏殿や重要な伽藍を失ってしまい、東大寺は危機に立たされることとなりました。

 

 

しかし東大寺を復興に導いたのは、俊乗房こと重源上人であり、今の美しい東大寺の原点を作り上げた人といっても過言ではないでしょう。


再建された南大門

東大寺南大門

 

重源上人は後白河法皇、源頼朝、九条兼実らの寄進を受けて東大寺の建造物を再建に着手しはじめました。

 

1190年に南大門は再建をされ、現存する南大門はこの時に建てられたものです。

 

南大門は、1203年には門の中に安置する仁王像とともに竣功を果たしました。

 

しかしながら戦国時代に入ると、再度1567年に大仏殿は焼失をしてしまい、現存する大仏殿は、1705年に再建をされた三代目の建物であるのです。

 

 

つまり東大寺において、重源が築いた大仏様の建造物の中で唯一現存されているものが南大門なのです。

 

戦国時代の焼失してしまった大仏殿の建築様式やその歴史を紐解く上で、重要な役割を果たしているのもまた南大門でもあるのです。

 

南大門の特徴は、入母屋造りであり、五間三戸二重門といばれる構造をしており、鎌倉時代の造りをその門に偲ばせています。

 

また屋根裏まで達する大円柱18本は21メートル、まさに大仏殿の門としてその役割を立派に果たしています。

 

たくさんの災害に見舞われた東大寺において、唯一生き抜いた南大門には、その歴史を見守ってきた力強さと誇りさえもその門に宿っているような気がして、ならないものです。


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