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東大寺の南大門とは・・・ 

東大寺南大門

 

東大寺を訪れると、最大のハイライトである大仏殿へ足を運ぼうとすると、誰もが足を止めてその重厚感のある造りの南大門に、たくさんの観光客が見入っている光景をみかけます。

 

この南大門は鎌倉時代に再建されたもので、東大寺の中でも唯一鎌倉時代の威容を現代へと伝え、非常に歴史的な解明をする上でも重要な門とされています。

 

1180年の平家による南都焼打ちにあった東大寺は、重源上人によって再建を果たし、その際に新たに中国宋の建築様式を取り入れました。


東大寺の南大門の建築様式とは・・・ 

東大寺の南大門の内部の様子

 

実は南大門の建築様式は意外とシンプルな方法で造られ、柱と貫だけで造られたものなのです。

 

柱の高さは21メートルにも及び、基壇を含めた南大門の高さは25メートルと日本最大の山門であり、ビルよりも高いその高さはその壮大なスケールを物語ります。

 

そして南大門はシンプルでありながらも合理的な建築様式は、高い耐震性を持っています。

 

貫を多用することで柱と強く結びつけ、南大門はビルの鉄骨のように組まれていることから、耐震性にも非常に優れた造りとなっています。

 

実はこの建築様式は近代の建築様式の原点ともいえるもので、鎌倉時代にこの様式が取り入れられたことは、なんともその時代の技術力の高さと精巧さには感心してしまうものです。

 

東大寺南大門は基壇の上に建つ五間三戸の二重門という構造ですが、外観の屋根は二重になっているものの、柱は上層まで達しており、下層から化粧屋根裏までを見通す事ができる吹き抜けの構造となっているのが特徴的です。

 

つまりこれは腰屋根付きの一重門とよばれるものであります。

 

また二重門とは、上層と下層の両方に屋根が付く二階建ての門で、上層よりも下層の屋根の方が大きいのが一般的ですが、南大門は少しそれが異なり上下同じ大きさなのです。

 

門の内部は下からみることができ、何段もの貫と呼ばれる水平材でそれぞれが柱と繋がれ固められている点は、南大門を訪れたらぜひ注目したい点でもあります。


南大門の巨大は金剛力士像 

東大寺の南大門の金剛力士像

 

南大門の左右間には、高さ約8.4メートルもの巨大な金剛力士立像が強面でにらみを利かせており、訪れる者を凛とした気持ちにさせてくれます。

 

東大寺の大仏を守っているようなまるで門番をしているかのような表情は、どこかその使命を貫く力強ささえ感じる光景です。

 

これらは南大門が再建された際に、12人の仏師たちの手によってわずか69日間で一斉に彫り上げたものであり、現在では国宝にも指定されています。

 

幾年にも渡って東大寺を見守り続けてきた金剛力士像にも、南大門にきたらぜひ注目してみてくださいね。

 


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