高野山は山深いところにある!
]世界遺産・高野山は海抜約1000メートルの山上に東西6キロ・南北3キロの狭い盆地を形成している少し変わった特徴を持っています。
高野山の周囲にはたくさんの峰が折り重なるようになってできています。
そのためこうした地形への象徴として、東西に龍が伏せているのだとし、さらに南北には虎がうずくまっているといわれてきました。
高野山らしいなんとも神々しい表現がうかがえます。
平成16年に「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録を果たした高野山には、毎年たくさんの人達が参拝に訪れ、少しアクセスのしにくい場所でありながらも人々に非常に親しまれている場所でもあります。
今回は高野山の地形に纏わるお話をして行きたいと思います。
まるで蓮台のような高野山
高野山の盆地は周囲の峯が折り重なるような地形をしており、蓮台のような形ともいわれています。
なぜ蓮台とよばれるのかといえば、高野山が開山して、人々の中に真言宗が浸透していくと、高野山はこの世の浄土であり、仏の世界であるという信仰が人々の中に生まれていきました。
そのため高野山はこの浄土のシンボルともいえる蓮の花の台と蓮台とみたてられるようになりました。
高野山の周囲の山々である外輪山を外八葉とよばれ、八葉とは蓮華の花びらを象徴してこう呼んでいます。
また内輪山を内八葉と呼び、外八葉と合わせると16葉の山々を金剛界曼荼羅の十六大菩薩に重ね合わせ、蓮の花を象徴する曼荼羅の中心に高野山があると説いています。
八葉の話は平安時代末期から鎌倉時代にかけて説かれた可能性がありますが、まだまだいくつもの疑問点なども残されています。
内八葉・外八葉の言い伝え
内八葉・外八葉の話がでてくる文献には少しユニークなものも残されており、「高野秘口」には高野山の少し不思議は話も残されています。
但し内八葉・外八葉には諸説あり、内八葉・外八葉は出典によって見解が分かれています。
しかし『高野秘口』に記されているものには、内八葉の名称と実際の峯とが明確化されていないことから、きちんと定まっていなかったことも考えられています。
但し一般的には、外八葉とは一説に、金剛峯・小塔峯・山王峯・遍照峯・転軸山・楊柳山・摩尼山・姑射山であるとされ、内八葉は、壇上伽藍を取り囲むように剣崎峯・南虎峯・宝珠峯・薬師山・山王峯・神応岳・小塔峯・勝蓮花峯であることが有力とされています。
まだまだ未解明な部分もおおい八葉ですが、蓮の花に見立てるというなんともロマンチックな見方には、それだけ高野山が当時の人達にとって大切な心によりどころであり、大切にされていたからこそそのような神秘的なものとして見られていたに違いありません。
高野山自体が蓮の花とは偶然なのか必然なのか、密教の奥深さを改めて認識させられるものです。
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