愛染堂の本尊とは・・・
高野山の根本大塔の東側と東塔の間には、少し低くなったところに3つのお堂が立ち並んでいます。
左側から、後醍醐天皇が建てた愛染堂、そして西行にゆかりの建築物として大会堂と三昧堂です。
大会堂と三昧堂の間には、「西行桜」と呼ばれる伝説の桜の木も残されています。
今回はご案内するのは愛染堂(あいぜんどう)とよばれる建物について、ご案内をしていきたいと思います。
愛染堂の本尊は恋愛を司る仏として知られている愛染明王です。
愛染明王は、後醍醐天皇の御等身ともいわれ、1334年に後醍醐天皇の命令によって、四海静平、玉体安穏を祈るために建立され、本尊は愛染明王を安置したといわれています。
愛染堂は何度か火災にあったため、現在の建物は1848年に再建された建物です。
愛染明王は恋愛の神様!?
愛染堂のご本尊である愛染明王は、愛を成就させ、愛情に満ちた幸せな生活をもたらしてくれる神様として近年では若い人達からも厚い支持を受けているといわれています。
実は歴史的にみてもこの壮大なパワーをいだだこうと、皇族から貴族、戦国武将にいたるまで数多くの歴史的人物が守護神としたともいわれています。
愛染堂で行われる行事
愛染堂としてよばれる一方で、愛染明王護摩や長日談義(ちょうじつだんぎ)とよばれる行事が行われていたために別名、「新学堂」とも呼ばれていました。
愛染明王護摩とは、愛染明王を本尊としその真言と印、そして明るい赤の衣と四角形の炉を用いて護摩を行うと愛染明王の一夜護摩の修法となると考えられています。
これは愛の成就や恋愛の達成、異性と出会いに非常に効果があるとされています。
本来、不動護摩の本尊の乳木108本で行われますが、愛染明王護摩は、赤い蓮の花を108本用いて行われるすこしユニークな工夫がされています。
尚、四角の香炉を三角の香炉に変えて調伏を行うと、敵は修法者にさからえなくなり言うがままになってしまうという伝説も残されています。
高野山へは少しアクセスが大変な方は高野山の愛染堂でなくても、全国に愛染明王が本尊として祀られている分院があるので、意外と愛染明王は住まいの近くにいらっしゃるかもしれません。
ちなみに愛染明王のご真言は、「おん まからぎゃ ばそろ しゅにしゃ ばさら さとば じゃく うん ばん こく」だそうで、ぜひ唱えてみれば、きっとその願いも受け入れてくださるかもしれません。
高野山は空海の真言密教としての宗教色がとても強い印象ですが、愛染堂は、高野山の中でもなんだか少し身近に感じられる場所です。
高野山の中ではちいさな佇まいをみせる愛染堂ですが、ぜひその壮大なパワーをいただくべく参拝をしてみてくださいね。
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