熊野信仰とは・・・
世界遺産の熊野には熊野信仰とよばれるものが残されています。
人々はなぜ熊野をめざし、その目的はどこにあったのでしょうか。
現在でも熊野那智大社や、那智の滝は全国的にもとても有名な場所であり、たくさんの人達が訪れ、その美しい光景や神々しい雰囲気に祈り、癒され、世界遺産に登録をされてからますます注目されるようになりました。
今回はこの熊野信仰について考えてみたいと思います
神が宿るといわれる熊野
平安時代に入ると、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社を中心とした熊野三山に人々の信仰が高まりはじめました。
特に熊野速玉大社は、かつては熊野権現の名で一台宗教王国を構成していたといわれ、かなりの勢力をもっていました。
熊野の人たちは古くから険しい山々が清らかな滝、巨大な岩、石、木一つに至るまでに神々が宿ると信じて崇めてきました。
当時の天皇たちの間にも広まった熊野への参拝とは・・・
神武天皇が東征に出かけた際に、この熊野の地にも立ち寄り那智の滝を参拝したといわれています。
そして仁徳天皇の時代に入ると那智の滝より社殿を現在の那智大社に移す事業がはじまりました。
そして仏教の伝来とともに仏教の伝来とともに神仏習合の信仰が、人々の間に浸透していきます。
それに伴い皇室や貴族だけではなく、武士や庶民階級にまで熊野詣が流行るようになり、その様子は「蟻の熊野詣」といわれるほどに多くの人々に信仰されました。
なぜ熊野をめざしたのでしょうか。
古くから信仰の那智山(熊野那智大社、那智の大滝、青岸渡寺等)は、聖地として知られ、観音の浄土として修験者などの集まる霊場となっていました。
なお、那智の大滝はその滝自体が神格化されていたのは、那智の大滝が那智山の奥の妙法山に登るための禊の場所であったことからここは特別に聖地として考えられていました。
『枕草子』の中には那智の滝に関する記述や、那智山への参拝の記録などが正確に残されています。
そしてたくさんの堂社や摂社が造られ、一山霊場として知られるようになっていきました。
確かにここ熊野の聖地とよばれるところを一つ一つ歩いてみると、その光景や空気、そしてそこに水、滝、川、その全てが何か「違う」のです。
それはもしかするとここを訪れた人のみ感じることのできる神秘なのかもしれません。
ここ熊野を訪れると自然とココロが凛として、新しい空気が自分自身の中に入ってきます。
なぜ熊野をめざしたのか・・・ぜひ熊野を訪れてその答えをみつけてみてくださいね!
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