高野山の中でもメジャーな伝説の残る三鈷の松
高野山の中でもメジャーな伝説の残る三鈷の松高野山にはたくさんの伝説が残されていますが、それは不思議と高野山に今でも残されている松の木であったり、桜、藤などと一緒にその伝説は伝えられています。
今回はそんな高野山に残された伝説について考えていきたいと思います。
真実か否かは別として、そこに纏わる伝説を読み解き、またそこに様々な解釈があることも高野山の楽しみ方の一つであり、自分なりの見解を考えてみるのもよいかもしれません。
高野山の中でも一番にその伝説が残されているのは、三鈷の松といっても過言ではないでしょう。
伽藍、御影堂の前にある松の木を「三鈷の松」と呼んでいます。弘法大師が唐へ留学し密教の勉学に励み、明州の港から密教法具の1つである「三鈷杵」を、日本の方角である東の空に向けて投げました。
帰国後、その三鈷杵を探し求めると、その三鈷杵が飛来して掛かったのが、現在御影堂の前にある三本の葉の松の木であり、それ以来ここが「三鈷の松」とよばれるようになりました。
こうして高野山の地が開かれるきっかけとなった伝説の松は、今では縁起物としてその松の葉を持ち帰る方もいるのだとか。
現存はしていなくとも伝説の伝わる松
高野山にはいつしか伝説だけが残り、現存していない松の木もいくつかあります。
例えば菜子掛松とよばれる松があり、かつては御影堂の後ろにあったといわれています。
参詣人がお参りの際に野菜などをこの松に掛けて、高野山への参拝の心を捧げていたという伝説が残されています。
また菜子掛松の横には鳴子の松とよばれるものも存在していました。
こちらも現存はしていませんが、むかしこのあたりに食堂があったそうで、この松に鳴子を掛けていたことから、鳴子の松とよんだといわれています。
現在は若木が植えられている伝説の残る藤
この藤は逆指の藤とよばれ、御影堂の後ろにありますが非常にこぢんまりとしている藤です。
持経上人(祈親上人)が、高野山再興の運を知ろうと、逆さまに植えた藤で、この藤が生い繁るのは高野山の繁栄を象徴するものだという伝説が残されています。
現在は若木が植えられていますが、もしこの伝説が真実であるならば、こうして高野山は世界遺産に登録をされて、注目を浴び、活気づいていることもまた事実に違いありません。
高野山が開山されてから、こうして伝説が1000年も以上も語り継がれ、そして高野山の繁栄が真実となって今日を迎えられたことは、もしかするとこの伝説の藤のおかげなのかもしれません。
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