高野山の登天の松とは・・・
高野山の金堂の近くにとても高い松の木があり、松の木の周囲には大切に柵がされており大切に保護されていることを物語ります。
これは登天の松(とうてんのまつ)とよばれすこしユニ―クな名前を持っています。
これは一体どんな意味のある松なのか、今回はこの登天の松について考えてみたいと思います。
この登天の松は、伽藍、六角経蔵のやや北側の位置しています。
歴史的な建物よりも高い松の木は、伽藍の中でもとてもインパクトのある木でまさに天に登れるような木である印象をうけます。
登天の松の名前の由来とその伝説とは・・・
1149年に高野山の壇上伽藍の明王院の僧・如法上人が、この松の木の先から弥勒菩薩の浄土へ昇天したことからこのようによばれるようになりました。
丁度その時に昼食の用意をしていた弟子の小如法が、如法上人が登天する様子をみてあわてて後を追って昇天したといわれています。
その際に履いていた片方の靴を落としてしまい、伽藍か遠くはなれた2〜300メートル北の明王院の近くにある松に靴がひっかかったといわれています。
そうしたことから、明王院の松の木を『クツカケの松』とよび、弥勒菩薩の浄土へ昇天したとされる方の松の木を、登天の松とか三会暁松とよばれるようになりました。
その時弟子の小如法は、あわてて後を追いかけたのか、手に杓子を持っていたまま昇天をしたため、昇天の途中にこの杓子が落ちてきたそうです。
そのためそのすべり落ちてきた杓子が周辺の芝へ落下したため、そこを『杓子の芝(しゃくしのしば)』と名付けられたそうです。
高野山にはたくさんの伝説が残されている!
前回にもご案内をしたように高野山には『登天の松』や、『三鈷の松』というように、高野山には松に関するエピソードが多く見受けられます。
高野山の松には弥勒菩薩の浄土に昇天したという内容であったり、三鈷杵と言う法具が遥か遠くへ飛んでいった、などという常識では少し考えられない伝説のエピソードとともに、現代へ伝えられているような気がしてならないものです。
実は高野山には他にも藤や桜の花などにも数々の伝説が残されています。
真実か否かは別として、こうして様々な伝説が残されていることも高野山が太古の昔から聖地として親しまれてきたことを物語っているような気がしてならないものです。
登天の松を訪れたら、ぜひその伝説を思い出して高野山について一層楽しんでみてくださいね!
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