奥深い紀伊山地だからこそ魅力のある世界遺産
『紀伊山地の霊場と参詣道』は2004年に世界遺産に登録され、登録されたところが広域にわたるため、その魅力や奥深さを追求する楽しさがあるものです。
日本一の桜で名高い吉野山などを含む「吉野・大峯」、熊野三山などを含む「熊野」、金剛峰寺などを含む「高野山」の3霊場が世界遺産として登録を果たしました。
『紀伊山地の霊場と参詣道』は実は他の世界遺産とは少々異なり、ピンポイントで核になるものを表現できないその奥深さに魅力があるのと考えます。
少し掘り下げて考えてみれば、そこには日本人の古来から大切にしてきたものにその答えが眠っているのです。
まずはその広域にわたって評価を受けたことに注目してみたいと思います。
世界遺産に登録をされた広大な面積とは
世界遺産に登録をされたところが、どのくらい広域は範囲に渡っているのかといえば、奈良県、三重県、和歌山県の3県にまたがっています。
登録資産の核になる部分は約4.95kuと、その周辺の地帯は118.7 ku、登録されている参詣道の総距離は307キロにわたっています。
実は道が世界遺産として登録されたのは2例目というから驚きですよね。
これは日本の誇るべき世界遺産でもあり宝なのです。
『紀伊山地の霊場と参詣道』の参詣道とは・・・
参詣道はそれぞれ3つのそれぞれ異なる霊場でしたが、参詣道で結ばれた日本の深い歴史とかかわりがあるのです。
紀伊山地には数多くの神社やお寺が象徴しているように、たくさんの仏教信仰の建造物が残されている一方で、山岳信仰や自然崇拝の神道もある地帯でもあります。
この2点を考慮すると、日本と東アジアとの交流とその融合性が高く評価され、世界遺産として高く評価をうけました。
紀伊山地は標高1,000m〜2,000m級の山々が連なり、雨量の多い場所としても知られ決して楽な道のりではありません。
しかし考え方を変えれば、厳しい霊場と参詣道は、紀伊山地の山深い修行の道として、古来から人々の厚い信仰に支えられてきた日本人の想いがぎっしりとつまった道といえるでしょう。
文化遺産として登録をされたことにも注目してみよう!
また注目すべきは、『紀伊山地の霊場と参詣道』は、自然遺産ではなく文化遺産として登録されていることです。
ここに息づく山々や森、霊山、神木、その一本の木でさえも文化遺産として評価を受けたことは、その背景にある深い信仰心も評価されたことなのでしょう。
神社仏閣だけがすべての信仰ではなく、その命あるものも大事にしてきた日本の大和魂が評価されたことであると考えます。
言い換えれば紀伊山地の山々がなければ、世界遺産として登録されることも難しかったのかもしれません。
関連ページ
- 奈良・吉野に山奥に佇む『金峯神社』のその由来と歴史的背景を学ぼう!
- 高野山に畏怖堂々と聳えたつ大門の魅力とその歴史とは・・・
- 世界遺産・高野山金剛峯寺の門をくぐって、空海の世界へ行こう!
- 高野山に佇む・お助け地蔵に願いを叶えに行こう!
- 初夏の風物詩!高野山のあじさいの名所へ行こう!
- 高野山の伽藍の結界とされていた中門の歴史とその再現の様子を見に行こう!
- 電車編!霊峰高野山へお得にリーズナブルにアクセスする方法とは・・・
- 水とともに歩む神々しい天川村を訪れよう!
- 桜の名所として知られる吉野山のはじまりとは・・・
- 高野山・西塔の重厚感のある歴史的建造物を見に行こう!
- 〜那智の滝〜 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を巡る!
- 高野山を蓮の花と見立てる八葉とは・・・
- 高野山における伽藍とそこに込めた空海の想いとは・・・
- 空海の教えの象徴である曼荼羅について考えてみよう!
- 高野山からドライブをして日本三大美人の湯、龍神温泉へ行こう!
- 高野山の開山のきっかけとなった三鈷の松とは・・・
- 高野山の神仏習合の歴史を今に伝える山王院本殿とは・・・
- 高野山の伽藍の意義とそこに伝わる伝承、そして空海の想いとは・・・
- 高野山の金堂の近くにある登天の松の由来とその伝説とは・・・
- 空海が入定した場所である高野山の信仰の聖地・奥の院の参道を歩こう!
- 六角経蔵を回転させてその効果を試してみよう!
- 那智の滝を望む雄大な景色が魅力!熊野那智大社へ参拝に行こう!
- 全国3600カ寺に及ぶ高野山真言宗の総本山・高野山金剛峯寺へ行こう!
- 高野山の中にある恋愛の神様・愛染明王が祀られた愛染堂へ行こう!
- 熊野信仰の神秘とその答えを見つけに熊野に出かけよう!
- たくさんの歴史的なエピソードが残されている吉野神社へ行こう!
- 高野山の聖域・奥の院へ足を運んでその厳かな雰囲気を感じよう!
- 高野山に残された伝説とその意義について考えてみよう!
- たくさんの日本一を誇る那智の滝に行こう!