空海の教えの象徴である曼荼羅について考えてみよう!
高野山で真言密教を日本に広めた空海は、曼荼羅というものを教えの中に取り入れています。
この曼荼羅とは何があり、どんな意味があるのでしょうか。
今回はその曼荼羅について考えていきたいと思います。
本来曼荼羅とは仏教の言葉で、集まっているものや、満足のあること、聖域といった意味をもっています。
そして仏教の美術において、それは仏様が規則的に並んでいる絵のことをさしています。
空海も教えの道場としていた根本大塔に曼荼羅を並べて、真言密教の教えを絵で理解すること大切さを述べています。
この曼荼羅には実はたくさんの種類があり、それによってまた意味も少しずつ異なっています。
曼荼羅の中でも有名なものは胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅であり、特に2つの絵からなる「両界曼荼羅」とよばれるものはその代表でもあります。
胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅とは・・・
菩提心、大悲、方便をという教えを道しるべとして、図形に表し慈悲の完成を問いたものであり、これは空海の著作「十住心論」の中にもその教えをといています。
大日如来を中心に12のグループで構成され、空海の教えを視覚化されたものが胎蔵界曼荼羅と言えます。
すべての仏は大日如来から生まれるのであり、それはまた人間も同じように、人々の心の中にある、若しくは人々が持つべき、『さとり』を大切に、大日如来が見守り育てていくということを表わしています。
太陽のように輝かしいくも、力強く見守ってくれる強い信念が中心から世界を照らしているのが特徴的です。
一方、金剛界曼荼羅では、金剛とはダイヤモンドのことを表し、大日如来の知恵が決して壊れることのない強いものであることを表しています。
9つのグループに分けられていて大日如来の知恵が規則的に並んでおり、縦とななめに描かれているのが特徴的でもあります。
空海の曼荼羅に対する考えとは・・・
胎蔵界曼荼羅は『大日経』、金剛界曼荼羅は『金剛頂経』というお経が描かれています。
もともと考えかたも異なる別々の曼荼羅が一つになることで、空海はさらにそこから考えを発展させていきました。
つまり、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅の二つの世界こそが、大日如来という仏を中心とした密教の世界であり、宇宙のシンボルであると考えました。
そうすることで人々の信仰を集めた現世利益の仏やヒンズー教の神々など、幅広い世界から空海の教えは支持されるようになったに違いありません。
曼荼羅とした少し難しい教えではありますが、その描かれたお経などをみるとなんだか心が休まるものです。
ぜひ高野山へ足を運んだら根本大塔の中に足を運んで、曼荼羅にも注目してみてくださいね。
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