山王院本殿とは・・・
高野山の壇上伽藍の西には御社と山王院御社とよばれるところがあります。
少しマイナーですが趣きのある光景と重厚感のある光景はまさに、高野山の歴史を物語る光景です。
そしてこの小さな山王院本殿には神仏習合の原点ともいうべき重要な意味のある社なのです。
山王院本殿は、その重厚感のある造りからそれぞれが立派なお堂のように見えますが、御社の拝殿として建てられたものであり、現在の建物は1594年に再建されました。
山王院本殿は、伽藍大塔の西に約100メートルも離れた少し高い場所にあります。
それはこのあたりをかつて御社山と呼ばれた小高い山があったからなのだとか。
ここはかつて空海(弘法大師)が819年に高野山を開創されたときに、山麓にたたずむ天野社とよばれるところから、地主神を要請し高野山の真言密教の守り神として、祀られたことがはじまりとされています。
社殿は三つあり、一宮は丹生(にう)明神、二宮は高野明神、三宮は十二王子・百二十伴神がそれぞれまつられ、高野山を見守っています。
とても静かな神社ですがぜひマイナーだからこそ見逃してしまいそうですが、ここ山王院本殿をみつけてみてください。
昭和40年に山王院本殿の名称で重要文化財にも指定をされています。
山王院本殿と神仏習合の原点
高野山上にまず神を祀り、その神のご加護によって高野山の大伽藍を建立していくという流れは、神仏融合の原点がをここに垣間見ることができます。
そして空海がなくなった後も、それぞれの時代の僧侶が今日に至るまで、ここに宿る神を大切に崇拝してきました。
ここで毎年決まった日には竪精月並問講などの儀式を行い、山内住侶の重要な宗教的行事は今でも行われています。
高野山の原点、そして神仏習合の原点であることを改めて感じさせられます。
山王院本殿の造りにも注目しよう!
丹生、高野明神社の構造形式は春日造とよばれる造りとなっており、有名なものでいえば、奈良の春日大社本殿に代表されるもので、屋根が切妻造妻入の主屋の前に向拝をつけた形式をいいます。
総社は三間社流造檜皮葺社殿とよばれる造りとなっており、これは京都上賀茂、下鴨神社に代表される形式です。
どちらも茅葺屋根となっており、その時代の奥深さを物語っています。
山王院本殿の艶やかな色彩にも是非注目をしてみてください。
よくみると繊細な絵柄が施されており、その技術力の高さには感動さえある光景です。
マイナーですが非常に奥深いここ山王院本殿をみれば、きっと高野山の奥深さをしることができるでしょう。
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