首里城界隈を散策して・・・
世界遺産・首里城の界隈には実は是非首里城と一緒に散策したい美しい池があります。
首里城を見学した後に訪れれば、どこかのんびりとした気持ちのよい景色を楽しむことができますし、池とともにみる首里城もまた美しいものです。
その池を龍潭池(りゅうたん)といい、首里城駅からですと歩いて15分、路線バスであれば首里城前で下車をすれば池の目の前に到着することができます。
龍潭池とは・・・
これは1427年に造られた人工の池で、琉球を最初に統一した尚巴志は誰もが分け隔てなく楽しめる「太平の世のシンボル」として、当時琉球王国と国交のあった中国で造営の勉学をしました。
そして帰国後、学んだ造園技術を伝え、龍潭池の造成を命じたといわれています。
沖縄最古の碑文「安国山樹華木記」にも、琉球王国のひとたちが中国におもむき、造園技術を学んで龍潭池を造ったと記されていました。
そのためこの龍潭池には中国からの文化がたくさん取り入れられており、那覇市の世界遺産・識名園の心字池にも見られるような、池を広く見せる造園技法が用いられています。
池をつくるために掘削した土が盛られて山となり、安国山(またはハンタン山)と呼ばれる丘となりました。
龍潭池から歩いてすぐ横にある円鑑池までは首里城から緑地がありますが、ここは通称「ハンタン山」と称され、第二次世界大戦の前は高さ10メートル以上ものアカギの林であったとされています。
この龍潭池のかたちは竜頭形に掘られており、周囲416メートル、面積は8400平方メートルもあります。
龍潭池はとてもうつくしく晴れた日には首里城を美しく反映させます。
またコイなどの魚が泳ぎまわっており、そのことから別名イユグムイ(魚小堀)とも呼ばれるようになりました。
首里城の賑やかな様子から少し歩けばこんなにも緑豊かで美しい場所があり、首里城の魅力を再発見できます。
万人に愛される龍潭池
沖縄最古の碑文「安国山樹華木記」には『安国山に龍潭を掘り、香りのする木や花を植え、万人が利用できるようにして太平の世のシンボルとして永遠の記念とした』などと記されており、琉球王国の人たちのみならず庶民のあいだでも親しまれていた名称の池であったことがうかがえます。
また当時中国からの使者や冊封使をもてなした船遊びの宴もここ龍潭池を利用して行われていたとされています。
往時の時代もきっと水面に映る美しい首里城の姿を眺めながら中国からの使者を歓待していたのでしょう。
今でもそれを再現しようとここ龍潭池を使って、往時の中国へのもてなしを再現し、宮廷音楽や県内各地のハーリー歌を楽しむ行事なども行われています。
龍潭池の緑色と、首里城の赤色が絶妙なコントラストをつくりだし、ここからの眺めは絶景です。
夜になればライトアップした首里城とともにここ龍潭池を散策すれば、一層情緒あふれる光景を楽しむことができそうです。
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