「冊封七碑」へのアクセスとは・・・
首里城の中には「冊封七碑」(さっぽうしちひ)とよばれる石碑があります。
龍樋と瑞泉門の間にある七つの碑のことをさします。
文字をみただけではこれはどのような意味を持っているのか想像がしにくいものですが、今回はそんな「冊封七碑」の意味について考えてみたいと思います。
首里城へはゆいレールでアクセスをすると終点になります。
首里駅で下車をしてから徒歩約15分で守礼門に到着します。
守礼門を抜けて、さらに首里城の中を進んでいくと歓会門とよばれる、中国からの重要な人物を歓迎するという意味が込められている門が見えてきます。
そしてその先には龍樋とよばれる湧き水があり、その周辺に「冊封七碑」とよばれる七つの石碑があるのです。
龍樋の周辺にある「冊封七碑」
龍樋は当時王宮の飲料水として使われた湧き水で、それはとても清らかな水として知られていました。
当時中国と琉球王国は非常に盛んに交流が行われており、中国皇帝の使者として琉球王国の即位を宣言するために遣わされたのが歴代の「冊封使」とよばれる人物です。
世代交代の際に首里城を訪れており、およそ25年に1度の来訪であったと考えられています。
しかしながらさほど多くはない頻度とはいえ、冊封使の来訪は琉球にとって琉球王朝とってはとても大事な行事でありました。
この冊封の式典のために約500人にのぼる使節団がおよそ200日あまり琉球に滞在するため、首里城ではこの準備に対して大変な時間が費やされたと考えられています。
この冊封使とよばれる人物たちが、首里城を訪れた際に龍樋の水の清らかさを讃えて、中国の漢詩を読んだり題字を残したりしたものを「冊封七碑」とよび、龍樋の近くに展示をされて、当時の様子を後世に伝えているのです。
現在残されている「冊封七碑」とは・・・
現在残されている「冊封七碑」は、実はそのほとんどが第二次世界大戦によって焼失してしまいました。
戦後発掘調査が行われ、1984年に「飛泉」というかかれた割れた石碑が発見され、これは沖縄県立博物館に保存されていた「漱玉」という石碑の残り半分であることがわかりました。
二つ合わせると「飛泉漱玉」という言葉になり、清らかな泉が玉のように飛び散っているという意味をもっています。
現在ある七碑は拓本をもとに復元されてここ龍樋の近くに置かれています。
この泉がいかに往時の時代にとても清やかな水で、そして中国との国交が盛んに行われていたかが理解できます。
ぜひ龍樋の近くを訪れたら、「冊封七碑」にも注目をしてみてくださいね。
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