琉球王国時代の首里城界隈の代表的な寺院・円覚寺について

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首里城界隈

沖縄の首里城の近くに円覚寺とよばれる場所があります。

円覚寺といえば、神奈川県の鎌倉を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は首里城界隈にあるなんて少し驚きですよね。

実はここ沖縄の円覚寺は鎌倉の円覚寺を模して造られたといわれています。

とても小さな佇まいですが、実は列記とした歴史を誇るお寺なのです。

今回はそんな沖縄の円覚寺についてご案内をしていきたいと思います。

円覚寺までは首里城から歩いて5分ほど、ここからでも晴れていれば首里城の赤い建物がきれいに見えます。

円覚寺は首里城公園内に位置しており、今は緑と自然が豊かな公園となりましたが、かつて首里城周辺にはたくさんの仏教の寺院があり、確かに首里城の周辺を歩いてみると、お寺が今でもいくつも残されていることがわかるでしょう。

当時の琉球王国時代では、首里城と同じように栄えていた場所でもあり、その代表的な寺院が「円覚寺」であるのです。

首里城

沖縄の円覚寺は琉球王朝時の尚真王が父王尚円を祀るため、3年の歳月をかけて1494年に建立した大きなお寺で、臨済宗の総本山であり、山号を天徳山と称していました。

第二尚氏の菩提寺であり、琉球随意一の寺院であったのです。

開山住持は、京都の南禅寺の茶隠禅師であり、建築の手法は、鎌倉の円覚寺にならった禅宗七堂伽藍の形式を備えており、寺域は約3560㎡でありました。

伽藍は西に面しており、前面中央に総門を開きその左右に門を構えていました。総門を入ると放生池があり、放生橋、山門、仏殿、龍淵殿が一線上に配置されていたとても壮大な造りだったといわれております。

今の円覚寺からは想像がつかないものですが、それは首里城とともに琉球王国時代において、とても重要な役割を果たしていたに違いありません。

円覚寺

規模の大きさを考えると、首里城周辺に数多くあった仏教の寺院や御殿を代表する存在でもあったことが伺えます。

昭和八年に円覚寺伽藍として国宝に指定され、琉球建築としは貴重な装飾が施されており、荘厳な寺院として親しまれていましたが、その全ては沖縄戦で焼失してしまいました。

しかし1968年に始まった復元作業によって、現在の総門や石垣などがよみがえりました。

かつての規模からはかけ離れたものになってしまいましたが、円覚寺の前で今でもお祈りを捧げている、沖縄のユタとよばれる方がいらっしゃいました。

その光景を見ていると、円覚寺は焼失してしまった今でもこうして、沖縄の人達の中に生きていることを感じさせられる感動的な光景でもありました。

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