識名園と首里城の関係
那覇市にある識名園は沖縄の世界遺産に登録をされており、王家一族の保養所や王家の別邸として琉球王国時代に親しまれていた場所です。
識名園の造営が開始されたのは、第二尚氏王統の第14代国王の時代であり、その完成は第15代国王の時代とも伝えられています。
実はここは那覇市内からだととバスか車になりますが、もう一つの那覇市内の世界遺産・首里城からも歩くことも可能です。
ただし距離にして3キロとかなりの坂道なのでできれば車かバスの方がおすすめです。
しかし首里城から歩ける距離にあるということ、さらに識名園の中を歩くと石畳道が続いています。
ここに首里城と識名園の琉球王国時代における深い関係があるのです。
今回識名園と首里城の関係について考えていきたいと思います。
識名園の石畳道
識名園の敷地の中に入っていくと、正門から心字池へと道はたくさんの緑に続く石畳道はとてものどかで静かな時間が、確かに別荘や保養所にふさわしい場所であることを物語ります。
そして池に続く石畳道は、首里城界隈にある石畳道にとても雰囲気が似ているのですが、そうこの道は実はか つてこの石畳は識名園の正門から首里城まで続いていたと考えられているのです。
実は識名園にあるこの石畳の道は、首里城とは琉球王国によって整備された真珠道とよばれていました。
真珠道は首里城と識名園を結ぶ道であり、さらには首里城と那覇港をも結び、首里城近くに残る金城石畳道もまたその道の一部なのです。
幾年物年月が過ぎ、そして沖縄戦によってその大半はなくなってしまったからこそ、残されている道はまさに琉球王国時代と、今をつないでいるとても貴重な道であるに違いありません。
識名園の別名
実は識名園にはいくつかの別名があります。1677年創建の御茶屋御殿(ウチャヤウドゥン)が首里城の東に位置していたことから「東苑」と呼ばれたのに対し、識名園は首里城の南に位置することから「南苑」とも呼ばれて親しまれていました。
なお、識名園は高台にあるにもかかわらず、沖縄の美しい海をのぞむことができません。
実はこれは海外からの来客がきた際に、琉球王国は大きい国であることを誇示するための工夫とされています。
首里城と識名園には同じ世界遺産に登録されているという共通点もさることながら、かつて一つ道でつながっていたとは偶然とはいえ、往時も今日もまた高い評価をうけているということの現れなのかもしれません。
首里城の方がメジャーなため、首里城につい足を運んでしまいがちですが、ぜひ一緒に識名園をも訪れてみれば、また琉球王国時代の深い想いを感じることができるでしょう。
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