モト旅行会社勤務が語る!日本の世界遺産の楽しみ方

歓会門を抜けたその先にあるものとは・・・

首里城

 

首里城の正式な門である歓会門を抜け、そのまま緩やかな坂をあがっていくと、階段の途中の右脇の少し下がった所に、綺麗な水が龍の口から流れでている光景を目にします。

 

これは湧き水でこれは「龍樋」とよばれるもので、龍の口から湧水が湧き出していることからそのように名付けられました。

 

今回はこの龍樋とよばれる湧き水とそしてその近くにある瑞泉門についてご案内をしていきたいと思います。 


この龍樋の用途とは・・・

首里城

 

この湧き水は当時、中国から冊封使や国王などの重要な人たちが首里城を訪れたときに、王宮の飲料水として使われていました。

 

その清らかな水は、まるで神社を訪れたときに参拝者が身を清める手水舎を思わせます。

 

これはなんと当時は那覇港近くにあった「天使館」という宿舎まで、毎日ここから水を運んで利用されていたといたそうです。

 

それだけこの水がとても貴重で、大切な水であることが伺えます。

 

この龍の彫刻は1523年に中国からもたらされたものであるそうで、琉球王国時代の盛んな中国との交流がここにも伺えます。


瑞泉門とは・・

首里城

 

そしてその龍樋のすぐ後ろにあるのが瑞泉門です。

 

尚、瑞泉とは「立派な」とか「めでたい」という意味をもっているそうで、首里城の門には様々な意味が込められていることが伺えます。

 

 

瑞泉門はとても高い石門であり、その上には歓会門と同じように朱色に塗られた櫓が乗せられていてとても立派なつくりとなっています。

 

そしてこの門の両側にもシーさーが配置されており、この門を守りぬく強ささえ感じる光景となっています。

 

瑞泉門は、1470年頃の創建といわれ、首里城内郭の正式な門としてその役割を果たしています。

 

あとから造られた第二尚氏の尚真王の時代の歓会門や久慶門ができるまでは、この瑞泉門が首里城の正門であったのだとか。

 

 

たしかにその造りや構造は確かに歓会門と通じるものがあります。

 

ここ瑞泉門も残念ながら第二次世界大戦の沖縄戦で焼失をしてしまっているため、今あるのは1992年に復元されたものです。

 

ここ瑞泉門までは、守礼門からだんだんと階段や緩やかな坂を登っているため、景色の変化を楽しむのもまたおススメです。

 

 

門と郭の美しい曲線美、そしてどこか空への扉のような次々に現れる首里城のたくさんの門、その一つ一つの意味を考えながら潜りぬけていくとなんだか首里城の奥深さに改めて気付くことができるに違いありません。


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