モト旅行会社勤務が語る!日本の世界遺産の楽しみ方

実は世界遺産にも登録されている識名園

識名園の庭園

 

沖縄で世界遺産に登録された『琉球王国のグスク及び関連遺産群』は、沖縄県の那覇市など2市5村と広域にわたって登録されています。

 

その中には首里城など、グスクとよばれるお城が数多く登録をされている中で、一つだけ少し違う雰囲気のものがあります。それが『識名園』です。

 

首里城などに比べれば少し知名度は低いですが、実はこれは琉球王国最大の別邸ともいわれていたものなのです。

 

那覇市にあるので、国際通りなどの中心地からもアクセスしやすいのも魅力の一つです。


琉球王国時代に中国からの影響を受けた識名園

識名園の美しい景色

 

識名園は1799年に造営された琉球王家の別荘で、また保養所として、更に言えば、外交の際には接待の場所としても利用されていました。

 

識名園の特徴は庭園の中心に池がある、いわゆる「回遊式庭園」です。

 

そしてこの識名園には琉球王国の外交の様子や、外交先の中国から影響を受けて入ってきたものが、如実に現れている建造物などが多く残されている場所でもあります。

 

琉球王国は中国と長い間と国交を続けていたため、その影響を多いに受けています。

 

 

琉球時代の中国文化の影響

 

 

琉球がこれほどまでに中国と国交を保っていたかといえば、かつて薩摩の植民地的支配を受けていた琉球王国にとって、中国から重要人の接待は、王国を繁栄させ、存続させる意味でも非常に重要な意味を持っていたのです。

 

建造物は『琉球色』と『中国色』が交わり、そのためどこか独特の異国情緒あふれる雰囲気が残されているのが、この識名園の魅力の一つでもあります。


注目しよう!識名園の六角堂

識名園の六角堂

 

それではこの識名園の実際の建造物に注目してみたいと思います。

 

まずは庭園の周りにある心字池にはいくつかの小島があり、その中のひとつに『六角堂』とよばれる建物があります。

 

識名園の池

 

実はこの建物はかつて六角ではなく、明治時代には四角だったのだとか。

 

不思議なのは、一体いつから六角になったのかはよくわかっていないということです。

 

どんな意味があって形を変えたのかは闇の中になってしまっていますが、わからないからこそこれからの調査と今後の展望が楽しみなものです。


中国の影響を受けた識名園を堪能しよう

識名園のアーチ型の石橋

 

これは、ちなみにこの心字池とは心の字をくずしたような形の池といういわれがあるのだとか。

 

そして六角堂の屋根の形や黒い瓦などは、中国の影響を受けたものと考えられています。

 

そしてこの六角堂を渡るための、一つ石でつくられたといわれるアーチ型の橋は琉球石灰石です。

 

これはまさに琉球と中国の文化が混ざった独特の造りで、どこか情緒あふれる光景をつくりだしています。

 

さらには池の真ん中の島には大小二つの異なる石橋が架けられています。

 

識名園のアーチ型の橋

 

 

中央部分がアーチ型になっていて、これは中国の影響を受けているといわれています。

 

注目したいのはこの大きさが異なるという点です。

 

このアンバランスがこの池の水面に映し出されると絶景そのものです。

 

識名園は世界遺産に登録されていながらも、あまり人が多くないので、写真が好きな方にはおススメの庭園です。

 

どこか時代がタイムスリップしたような独特の情緒あふれる光景がそこには待ち受けていますよ!


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